S24最終48位 匿名マスカーニャ展開

レギュレーションHはスタンダードミラーでの対戦においてじゃんけん要素が強く今月もやらないつもりであったが、ヘイラッシャと食べ残しガチグマの増加を見て毒びしの通りが良いと感じたので11/28頃から潜り始めた。

想定通り毒びしの通りは良く、チョッキキラフロル展開と並行して考えていたマスカーニャ展開を本命とした。前者を捨てるのは勿体無いと感じたので最終日直前にメンバーシップにて公開したところ嬉しい報告も貰えた。

命中不安も少なく快適に対戦を行うことが出来たが、取り組み始め時点で1ロムしかある程度のレートが無かったことや最終日に1日の予定を入れてしまったり等、潜り方の面では準備が足りなかったのかなと思う。

 


レンタルパーティーはメンバーシップ対戦集にて先行公開

youtu.be

・構築経緯

スタンダードミラーでの見えにくい毒びしが強いと考えて既存の構築を漁っていたところ、かんたさんが最終61位を取っていたオボンの実マスカーニャからの展開に興味を持った。構築記事は公開されておらず細かい調整は不明であったが、「マスカーニャが満たしたい条件」から逆算することですぐに調整を固めることが出来た。

スタンダードミラーではマスカーニャ+カイリュー+サーフゴーでかなりの勝率を安定して出せたので他の3匹を補完枠と考えて考察を進めた。この3匹は圧倒的な対応範囲を持っているため他のポケモンをピンポイント気味な型にしても影響が少なく、再戦でマスカーニャの型を一点読みされないことを意識しながら採用ポケモンを決めていった。

 

・個別解説

採用順に解説し、努力値調整意図については優先度が高い順に記載する。

マスカーニャ@オボンの実
テラスタイプ: フェアリー
特性: へんげんじざい
性格: ようき
181(236)-131(4)-91(4)-90-105(116)-178(148)

トリックフラワー 叩き落とす 宿り木の種 毒びし

HD

C205ガチグマのブラッドムーンを15/16耐え

S

アローラキュウコン抜き

防御4振りの恩恵が大きいため宿り木の回復効率を上げるという言い訳で振り分け

C194ブリジュラスのスカーフ流星群を2連続で確定耐えするまで特殊耐久を上げたかったが、物理耐久を下げるか素早さを諦めるしかなかったため割り切り

 

パーティーに存在するだけで相手の選出を窮屈にし、対面のポケモンにテラスタルも強要出来る圧力の鬼。交代で様子見をしてきた相手には補助技が刺さる。

特にオオニューラが入っていないスタンダードは毒びしの通りが非常に良く、毒びしを撒いてカイリューサーフゴーで耐久をしているだけで急所のワンチャンすら生ませずに勝てる試合も多かった。

採用理由の毒びしに加えて味方の耐久力を上げて選択肢を増やす宿り木の種、主にカイリューの型判別をするための叩き落とすまでは確定で、ラストはアローラキュウコンへの遂行速度意識でトリックフラワーとした。

文字だけではこのポケモンのポテンシャルを伝え切ることは出来ないが、変幻自在で耐性を変えた後に取れる選択肢の多さに驚かされた。特にアローラキュウコンに対して遅延しながら処理が出来るため選出画面で択にならず、構築の枠も圧縮出来た。

余談ではあるが宿り木の種という技は命中90ではあるものの基本的には無効化されず相手のHPを知ることが出来るため、叩き落とすと合わせて相手の情報を抜き取ればプランの立てやすさが格段に向上する。レギュHのようなお互い探っていくルールの特性も相まって結果的には安定感に繋がってくれた。毒びしさえ撒ければ展開成立なので外し=負けではないことも偉い。

カイリュー@食べ残し
テラスタイプ: フェアリー
特性: マルチスケイル
性格: わんぱく
197(244)-155(4)-143(116)-108-125(36)-114(108)

ワイドブレイカー 地震 竜の舞 羽休め

S

+1状態でガブリアス抜き

あえてアローラキュウコンを抜かないことでアンコールターンを節約し、壁展開か交代かの2択を押し付ける

HD

C194ブリジュラスの拘り眼鏡流星群を13/16耐え

HB

余り

パーティー単位で竜の舞持ちのカイリューに隙を見せやすいため交代から切り返しやすいHBベース

ここまで振ると竜の舞+飛行テラバースト持ちでも誤魔化せる

 

数値の高さに卒倒。毒びしを絡めればガチグマさえ羽休めで倒せるため火力は必要なく、耐久に厚く振ることで弱点以外の全てを起点に出来るようにした。

単純にマスカーニャ+カイリュー+サーフゴーのタイプ相性も良くサイクル戦を仕掛けることも多いため、その際に宿り木の種+食べ残しカイリューのクッション性能が光る。

情報がない状態でのスタンダードミラーは毒びし+ワイドブレイカカイリューをケアすることがほぼ不可能なためパーティーの見た目にもかなり気を遣った。

レギュHは「強い中間択」を押し付けるルールだと考えているので自分の考えに合った強い並びを見つけられたことも大きい。

サーフゴー@ゴツゴツメット
テラスタイプ: みず
特性: おうごんのからだ
性格: ずぶとい
194(252)-x-156(212)-153-111-110(44)*A0(ポケモンソルジャーのA0ではない)

ゴールドラッシュ シャドーボール 悪巧み 自己再生

S

遅いミラーやブリジュラス意識

これより上のラインを意識するには物理耐久を大幅に下げる必要があるので無振り付近のみ意識

HB

ステルスロック+A204カイリューの+1地震耐え

サーフゴーは定数ダメージによる影響を受けにくいポケモンなのでHPを最大まで伸ばして特殊耐久も意識

 

前述のカイリューは多くのブリジュラスを相手にすることが出来るが、吠える採用の場合は展開が後手に回りやすいので起点に出来るように悪巧み持ちのサーフゴーを採用。カイリューが苦手なトリックを誤魔化せる黄金の体の評価が非常に高い。

特筆すべきポイントは特にないがテラスタイプの水はかなり拘ったポイントではある。よくある飛行テラスはヘイラッシャの地割れを含む地面技を透かせるという目的で使われることが多いが、そもそもカイリューが地割れを拒否していること、サーフゴーが飛行タイプになるとカイリューとの並びが非常に弱体化する等の疑問を感じていた。

そこでパーティー単位で重いウルガモスに強く、トリプルアクセルの一貫を切ったままに出来る水タイプに変更。ウルガモスの処理にサーフゴーを絡める動きを意識したところ格段に勝率が改善した。

ブリジュラス@風船
テラスタイプ: フェアリー
特性: じきゅうりょく
性格: ずぶとい
197(252)-x-200(252)-146(4)-85-105 

ラスターカノン ボディプレス ステルスロック 吠える

HB

グライオンを絡めた後続への負担を最大まで上げる振り切り

 

基本選出の3匹ではグライオンを絡めたサイクル相手への動きが安定せず、守るや交代との択ゲーを多く生んでしまったため、後述のガチグマと合わせて楽に勝てるようにした。地獄突きを持っているグライオン地震を持っておらず、その逆もまた然り。

ほぼグライオン入り専用機になっていたが、パーティーにブリジュラスがいるということに価値があるため全く問題には感じなかった。

それよりもスタンダードのカイリューミラーでブリジュラス交代を警戒してテラスタル+地震を押してくる相手が多いことに驚かされた。そんなことをしている場合ではないと思うが、レギュHにおけるブリジュラスという圧力がそれをさせているのかもしれない。

ガチグマ(赫月)@シルクのスカーフ
テラスタイプ: ノーマル
特性: しんがん
性格: ひかえめ

201(100)-x-141(4)-198(196)-86(4)-98(204)

ブラッドムーン ハイパーボイス 挑発 月の光

S

麻痺したマスカーニャ抜きのポリゴン2抜き

C

ステルスロックを絡めると火力が過剰になりやすいので最低限

HP

想定していたよりも受け系統相手にサイクル戦をすることが多かったので可能な限り高く

 

環境上位の受けループにおけるハピナスは当然最速ガチグマを抜いているだろうという敬意を持つことで「抜こうとしない」という選択肢を取り、その他多くへの勝率を上げられるようにした。

それでもマッチングしたハピナスは全て抜いていたし、これはorionへの敬意なのかもしれない。

ブリジュラスを絡めることでグライオン入りへの勝率は非常に高く、パーティーの見た目も損なわないことが非常に偉い。

ウルガモス@隠密マント
テラスタイプ: フェアリー
特性: ほのおのからだ
性格: おくびょう
192(252)-x-117(252)-155-125-133(4)
炎の舞 鬼火 蝶の舞 朝の陽ざし

S

最速カイリュー抜き

HB

可能な限り高く

A182オオニューラのフェイタルクロー+ステラフェイタルクロー耐え

 

上記の5匹は一般的な構築に対してかなり高い勝率を確保出来ていたが、所謂レート差マッチで当たりやすいクエスパトラ系統の相手が重く、ランクマッチでレートを稼ぐ上では致命的な弱点があった。

そこでクエスパトラ+アーマーガアorサーフゴーに強く、スタンダードミラーにおいて強烈な選出圧力を持つウルガモスを隠密マントにすることで構築が完成した。

数は少ないもののスタンダード構築では重いキョジオーンを誤魔化すことが出来る上に、グライオン入りにガチグマ+ブリジュラスと並べて選出をすると重くなりやすいオオニューラに炎の体を一方的に押し付ける等の強さも持っている。

特にオオニューラを使っているプレイヤーはウルガモスの積みに対してフェイタルクロー連打で解決を試みてくることが多く、追加効果を完全に無視しながら積むことで相手は取り返しのつかない状況に陥る等、かなりのイージーウィンを生んだ。

 

・選出

スタンダードミラー

マスカーニャ+カイリュー+サーフゴー

受け系統

ガチグマ+ブリジュラス+1

エスパトラ系統

マスカーニャ+ウルガモス+1

 

・雑感

11/29~12/1の朝にかけて合計3時間程しか潜っていないがある程度満足のいく結果を取れた。久しぶりに納得が出来る構築を組めた時に限ってリアルの事前準備が悪いことが後悔と言えば後悔だが、出来るかも分からない構築のために予定を空けるかと言われたら微妙なので非常に難しい。

記事を公開するかどうかも悩んだが年末年始こそ忙しくて潜れないと思うので公開。同じくかんたさんの構築をベースとしたかみやんも最終2桁を取っていたのでかんたパが神。

レギュGまとめ S19最終74位 S20最終24位

構築記事を書いて中身をバラしたくないな~という建前でサボり続けて更新をすることがめんどくさいところまで来てしまったので、レギュH以降でまた更新する気持ちになれるようにまとめて更新。

細かいところは色々いじっていたので最終的に潜っていた形とズレがあるかもしれないけど大体こんな感じということで許してほしい。

 

PJCS本戦2024本戦使用 ヤシパオラオス

PJCS2024本戦にて以下の構築を使用した。「あと1勝」ラインまでには何度か辿り着けたが、序盤に下振れて0-3スタートをしてしまった影響で試合数が足りず本当に悔しい。しかし構築の完成度としてはかなり納得しているため記録として残すことにした。

・構築経緯

前回記事で紹介した第2回予選での使用構築にも自信があったが、環境的にHC化身ランドロスが刺さる構築が減っていたため代わるポケモンを探していた。そんな時にヤシの木(https://x.com/xx_z2z)がランクマッチで使用していた構築に目を惹かれた。パオジアンは同じ命の珠枠でありながら先制技持ちであるため相手の行動に振り回されにくく、加えて特性によって味方の火力を実質的に上げられるため「前回記事で紹介した構築の攻撃的アイテムが自由枠になる」ということに気が付いた。細かい立ち回りなどは本人に聞くことで一気に吸収し、自分の好みに合わせた形に組み替えた。

参考:前回記事の構築

・個別解説

採用順に解説し、努力値調整意図については優先度が高い順に記載する。

158(20)-189(252+)-105(36)-x-86(4)-180(196)@命の珠
氷柱落とし 不意打ち 氷の礫 守る
ゴーストテラスタル
S
最速トルネロス抜き
HB
命の珠の反動+A200ウーラオスの水流連打を約97%で耐え
A
先制技で縛れる範囲を最大限広げる振り切り

 

端的に言い表すなら「相手にゲームをさせないポケモン」。高火力の先制技持ちであることに加え低速相手には氷柱落としの火力と怯みによる理不尽の押し付けが非常に強力であり、相手に行動そのものをさせない性能が非常に高い。特に不意打ちの火力はA200ウーラオスの暗黒強打と同程度なため、横にいるポケモンの先制技と合わせれば行動が出来るポケモンの方が少ない。
採用当初は耐久が低く行動保証のないパオジアンに命の珠を持たせることは懐疑的であったが、先制技によって相手より先に数的有利を作ることで実質的に行動保証が得られていることに気が付いてからはこのアイテム以外を持たせる気が起きない程に感じた。体感ではあるが、気合いの襷や耐久振りクリアチャームを持たせた場合よりも生存率が高い。

基本的に低速サイクルやトリックルーム相手以外には先制技だけで完結しているため参考にしたASぶっぱでは無駄があるように感じ、素早さラインを下げてHBラインを連撃ウーラオスに合わせた。これによってB4振りでは約62%でしか耐えることが出来なかった命の珠の反動+A200水流連打への生存率を大幅に上げている。特にエルフーンorトルネロス+ウーラオスのような追い風構築であったり、拘りスカーフ連撃ウーラオスが採用されたスタンダードな構築に対してこの調整のおかげで選択肢を増やすことが出来た。
当初は連撃ウーラオスのみを対象とした耐久振りであったが、グラスフィールド下でA216拘り鉢巻き霊獣ランドロス地震を2耐えする等、想定外の副産物を多く生み出すことにも繋がった。

余談ではあるがパオジアンの特性は「自身への災いの剣を無効化」するものであり、相手の場にパオジアンがいる場合でもそれ自体を打ち消すわけではなく、味方の防御力は下がっていることに注意が必要。

175-100(252+)-121(4)-x-80-149(252)@気合の襷
水流連打 インファイト アクアジェット 見切り
ゴーストテラスタル
AS
性能を最大まで高める振り切り
氷柱落とし+水流連打で大体の古代活性で素早さが上がるウガツホムラを倒せる
災いの剣+水流連打で大体の回復アイテム持ちガオガエンを倒せる
HB
キラフロル+合体ヘイラッシャ構築に対してキラースピンを受ける前提のプランを取るため、HPが8nにならないよう端数はB振り

前回記事の構築では水タイプ強化アイテムを持たせることで火力を確保していたが、パオジアンの特性によりアイテム補正がなくとも必要な火力を手に入れたので行動保証がある気合いの襷で採用。パーティー単位で重いガオガエン猫騙しに耐性のあるゴーストテラスタルは試していたことがあったが、その時はガオガエンを倒し切るためにタイプ強化アイテムを持たせており、耐性変化後の弱さを許容出来ず上手くまとめられなかった。しかしパオジアンと並べることで火力を確保出来ること、元々のタイプが水であるため気合いの襷持ちの天敵である水流連打に自然と耐性を持てる等、参考元の並びとしての完成度に感動を覚えた。

特性の不可視の拳はパオジアンの不意打ちとの相性も良く、様子見の守るを許さないため試合展開のイメージがしやすい。自身のダブルバトル歴が浅いこともあり初手の守るや猫騙しが正解のない噛み合いじゃんけんにしか思えない展開が多く、この噛み合いを拒絶出来る不可視の拳+ゴーストテラスタルは最高の存在だった。ウーラオス抜きでダブルバトルを行える気がしない。

155-172(252)-105(4)-x-116-178(252+)@竈の面
棍棒 グラススライダー 地団太 ニードルガード
炎テラスタル
AS
性能を最大まで高める振り切り
ミラーでの素早さ関係を探ることが不毛なので抜いている前提
B
連撃ウーラオスからの水流連打がズレるライン
余談だが実数値が90~130付近でズレるラインを覚えておくと少し調整が楽になる

前回記事で信頼していたオーガポン+ゴリランダーの並びがそのまま参考元の構築と同じだったため続投した。前回記事では地団太ではなく剣の舞を採用することでガオガエン入りのサイクルに対して咎める動きを行っていたが、この構築ではウーラオスガオガエンへの削りやテラスタル強要を担っているためタケルライコやヒードランに対して強い地団太で採用。展開次第でウーラオスガオガエンを処理出来なかったとしても抜群地団太のダメージはバカに出来ないためなんとかなることが多い。

パオジアンやウーラオスに続き先制技連打で相手の行動そのものを許さない点も強力だが、オーガポンはテラスタルを使用することで崩しを行える点も評価が高い。特にイエッサンや多くのリキキリンは耐性テラスタルを使わないと蔦棍棒を耐えられず、テラスタル後は炎タイプになるためトリックルーム構築で採用されやすいコータスにも自然と強くなれる。対面的な構築は追い風やトリックルーム等の素早さ操作が苦手になりやすいが、追い風にはパオジアンの氷の礫が刺さり、トリックルームにはオーガポンのテラスタルが刺さるため並びとしての性能を落とさず非常に美しい。
特性の型破りはリキキリンのテイルアーマーを無視してグラススライダーを撃ち込める貴重な存在。

199(188)-194(252+)-111(4)-x-91(4)-113(60)@突撃チョッキ
ウッドハンマー グラススライダー 十万馬力 猫騙
炎テラスタル
A
性能を最大まで高める振り切り
硬いハバタクカミが増えていたのでウッドハンマーで倒し切りたい
HB
A136ガオガエンフレアドライブ耐え
A200拘り鉢巻きウーラオスの水流連打2耐え

S

ミラーで猫騙しを上から通したい関係で余裕を持って抜けるラインであり、S-1の100族の上を取れるくらい。このラインは多いと考えたので+2。

稀に抜かれることがあったので更にラインを上げることも検討したが削れる数値がなかった

先述の通り前回記事の個体をそのまま使用し、持ち物だけタイプ強化アイテムから突撃チョッキに変更した。参考元では素早さに振らず水テラスタルであったが、炎技への耐性をつける際に火傷への耐性もつけたかったこと、フェアリー技への耐性を意識してこの構築では炎テラスタルで採用した。素早さラインを高めに設定した理由としては、初手でお互いのポケモンが1匹倒れ3:3状態からゴリランダーを繰り出すことが安定となる展開が多かったため、そこで行動を躊躇わないことを意識した。どちらも好みの問題であるとは思う。

パオジアンを採用したことによって構築全体の火力ラインが上がり、突撃チョッキを持たせたことで対面構築でありながらサイクル性能が向上した。具体的には初手のパオジアンが交代する選択肢を取りやすいため「パオジアンが場にいる」状態を強く使うことが出来る。汎用的に強いポケモンである上に草技の打点が優秀なため連撃ウーラオスやヘイラッシャに強いのは勿論、モロバレルのようなポケモンに対しても氷柱落としや蔦棍棒ウッドハンマーを集中することでテラスタル択も回避しやすい。猫騙しとウーラオスを合わせることで相手に何も行動させないターンを押し付けられることも忘れてはいけない。

160(236)-x-117(252+)-155-155-158(20)@ブーストエナジー
ムーンフォース 凍える風 電磁波 挑発
草テラスタル
S
最速ウガツホムラ+ブーストエナジー抜き
ミラーは凍える風を撃たれても電磁波で素早さ関係を逆転出来るため振る必要がないと判断
HB
全てを耐えるためのほぼ特化
A178までのゴリランダーのウッドハンマーを確定で耐える
≒A165程度のウッドハンマー+半減グラススライダーを回復込み乱数で耐える
副産物ではあるがグラスフィールドの回復効率が良い16n
A194グラススライダー+C207迅雷をエナジーまで耐え

前回記事の個体をそのまま使用。参考元では拘り眼鏡を持ったハバタクカミを採用していたが、同じ役割範囲を持ちながら更に強いことが出来ると本人に提言し変更。ヤシの木本人が命の珠パオジオンで結果を残しそれが公開情報である以上、自分が使う時だけ命の珠不意打ちを無視してマジカルシャインを押すのは違うと思った節もある。そのくらい参考元構築が有名であった。

ウーラオスを気合の襷で採用しているため凍える風と合わせても相手のパオジアンやオーガポンを水流連打で押し込めないことが不安であったが、選出する相手を合体ヘイラッシャやウガツホムラ入りのスタンに絞ることで解決とした。特に合体ヘイラッシャとウガツホムラは電磁波による素早さダウンが致命的である上に、相手が選出をズラしてきた場合でも電磁波持ちのハバタクカミであれば柔軟に立ち回ることが出来る。特にウガツホムラ入りのスタンダードはパオジアンを誤魔化すために初手にウガツホムラを出すことが多く、そこにハバタクカミ+ウーラオスを合わせることで実質的に相手の攻撃選択肢を「ハバタクカミへのヒートスタンプ」のみとすることが出来た。

このような選出をするとおまけで出てくるようなモロバレルが鬱陶しくなりやすいので挑発も続投。このハバタクカミの本質は相手の置物をとことん無視出来ることであり、挑発の入ったモロバレルやあえて削ったウガツホムラ等を放置することで、麻痺の期待値等を含めて大きく有利な試合展開の組み立てを行えた。

215(116)-x-129(140)-207(252+)-109-95@雷プレート
十万ボルト 竜の波動 迅雷 守る
電気テラスタル
C
コータスへの古代活性十万ボルト、ウネルミナモへのテラスタル迅雷のダメージを意識して振り切り
HB
A189パオジアンの氷柱落としを等倍状態で約93%で2耐え
出来るだけHPを高くして特殊耐久を維持しながら余った努力値を振り分け

参考元のタケルライコの役割範囲を維持しながら努力値配分を見直した。タケルライコが特殊方面から崩されることは少ないため物理耐久を意識して努力値を再分配。氷柱落としの怯みを考えるとパオジアンに対して安定するとは全く言えないが、HP振り切りと比べて純粋に物理耐久は上がっているのでオーガポンのテラスタルを等倍で耐える等、副産物的な強さを実感出来た。

先述したウーラオスは基本選出に大きく絡んでくるものの、コータス入りの晴れパーティー等には水流連打を強く使うことが出来ないため選出の足を引っ張りやすい。しかしタケルライコであれば相手の晴れにタダ乗りして火力を上げながら炎技やハイドロスチームに耐性があるドラゴンタイプを持っている。特に処理が難しい初手の耐久振りコータスに対しても、タイプ強化アイテム+古代活性発動時のテラスタル十万ボルトで処理することが出来るためかなり立ち回りが楽になる。その上で流星群と違い火力が下がらずむしろ古代活性の強みを維持出来るタイプ強化アイテムは非常に強力であった。


・選出
ほとんどの相手にパオジアン+ウーラオス+オーガポン+ゴリランダー。
相手の初手を見てから処理の優先順位を見極め先制技集中をするべきなのかを判断する。ウーラオスが相手の守るを拒絶出来ること、パオジアンの特性による数値の底上げによって対応範囲が非常に広い。
ウガツホムラ入りのスタンダードや合体ヘイラッシャ等の素早さが高い高耐久に対してはハバタクカミを選出して後続が上から縛れる展開を作る。特にヘイラッシャ入りに対しては電磁波を外す以外で負けない程に安定感があり、相手が選出をズラしてきた場合でもハバタクカミの対応範囲が解決してくれる。


・雑感
書きたいことは沢山あった記憶があるけどパーティー解説だけ準備して下書きにある期間が長すぎて大体忘れました。

公式大会という短距離走で限られた時間を友達と共有し、ともに高みを目指す感覚を学生の部活動以来に体感出来たかもしれません。来年も頑張ります。僕に関わってくれた全ての友達に感謝!

PJCS2024第2回予選42位 本戦出場 匿名カミラオス

以下の構築を使用し23勝5敗の最終42位でPJCS2024の予選抜けを達成した。ダブルバトルの経験がほとんどない地点からのスタートであったが、ダブル勢の友人や同じタイミングでダブルを始めてくれたシングル勢のおかげで楽しみながら約1か月半で目標を達成することが出来た。

ダブルバトルへの取り組み

少し長くなるがこの記事を見てダブルバトルに興味を持ったシングル勢の助けになれるように順を追って説明する。

 

「今年こそはダブルバトルをやりたい」と決意を固めてから第1回目の予選まで2週間しかなかったため単純な実力でダブル勢に勝つことは不可能と考え、ある程度行動パターンが決まっている並びを使いたいと考えた。友人に相談したところ初手飛行テラバーストカイリューからの並びを教えてもらったが、第1回予選ではレート1680までは勝てたものの上位層との実力差を痛感させられる程にそこから勝ち切れなかった。

 

情報収集をしている中で「毒寿司」という戦法の動きが分かりやすく強力だということを知り、第1回予選を抜けていたnoteを購入し構築を使わせて頂いた。非常に完成度が高く、ダブル初心者の自分でもランクバトルで瞬間100位台をキープ出来たため「意外とダブルも勝てるじゃん」という勘違い的な感覚を覚え、予選を抜けたいという気持ちが強くなった。余談ではあるが有料note文化については肯定派である。無料なら情報を出さない人も多いはずなので、それなら執筆者の膨大な時間をある程度の金額で購入できた方が良い。

PJCS予選2024第1回72位 レポート【レート1763/勝率79%/レンタルあり】|兎もちVGC🍋🧊 (note.com)

 

しかしながら次の問題点として構築や戦法が有名過ぎるが故に一点読みをされることも多く、自分の力ではそれを越えることが出来ないように感じ始めた。ランクバトルでも3桁順位はキープ出来たもののそれ以上は勝ち切れなかった。その時点で次の予選までは約3週間程あったので自分で構築や動きを考える練習をするためにスタンダードな構築をいくつか真似して使うことにした。特に守るや猫騙しが絡む択が複雑で「何をしているのか分からない」状態に陥り、ランクバトルでの順位は100位台から一瞬で8000位まで落ちた。

 

自分だけの力では予選期間までに間に合わないことが分かり切っていたためダブル勢である友人のぷりずむ君に対戦動画と合わせて質問をすることにした。最初は正しい行動をしているターンがほとんどないレベルであったが、徐々に正解択を取れるようになったり自分の考えを説明出来るようになった。分からない箇所を相手に伝えるための説明はかなり力に繋がったと感じる。同じ時期に自分と同じダブル初心者のブロGさんや、昔から仲良くして頂いてるらみるーさんにも声をかけ4人でこの構築の考察を進めた。知識やモチベーション等、1人では絶対にここまで辿り着けなかった。

 

・構築経緯

ある程度知識が付いてくると「シングル勢の視点で刺さりそうな行動」が浮かんでくるようになったので試せるものは全て試してみた。特にダブルでは技スペースの関係で「アタッカーのアンコール」が軽視されているように感じたためカイリューや炎オーガポンですぐに試した。アンコールの使用感はそこそこであったがカイリューのスケイルショットとハバタクカミの電磁波はかなり使用感が良く、ダブル歴の浅い自分が勝てるとしたらこれしかないとまで思えた。

なぜこの2つに可能性を感じたかと言うと基本的にダブルでは素早さ操作が1ターンに1回しか飛んでこないからである。勿論例外もあるが「凍える風や追い風+高火力アタッカー」等が非常に多く、1ターン目に素早さランク換算で2以上差をつける動きが刺さると考えた。相手の凍える風に対して電磁波を撃てば次のターンはこちらの方が速く行動出来るし、凍える風+スケイルショットなら上昇分で相殺出来る。特にこの時期はスケイルショットと電磁波が考慮されにくく、シングルでは一般的だがダブルでは「俺だけが使える最強ポケモン」状態であった。ありがとう全てのシングル勢。

 

考察を進める過程でスケイルショットは撃たなければいけない対面が多い割に命中率が低く、カイリューの初速が低いこともあって運負けに繋がりやすいと判断し抜いて考えることにした。ハバタクカミの電磁波は命中不安だが撃たなくて良い対面(凍える風で素早さ操作が足りていたり襷を壊したい等)が多く、運で実力差を覆せる可能性もあるため軸にすることにした。

ハバタクカミの素早さラインはチキンレース努力値を振っても明確に上を取れる場面が少ないこと、ダブルのポケモンは行動保証を得るために耐久に振っていることが多く、生半可な攻撃を全て耐えられるようにハバタクカミはHB振りとした。実際にランクバトルと予選を合わせても「ハバタクカミを倒せる前提の技選択」をされることが多く、数多くのダブル勢の想定を崩すことが出来た。特に攻撃を最低限にして耐久を伸ばしたゴリランダーが多かったため、相手目線で倒せる前提のウッドハンマーを全て耐え、調整次第では次のグラススライダーも半減テラスで受け切った。

 

このハバタクカミは初手に出して1ターンを買うことで真価を発揮すると感じたので隣に並べるアタッカーを考えた。候補は多かったが「1ターン目で絶対に電磁波を通したい」という目的の元で相棒はウーラオスとした。ウーラオスは特性の不可視の拳によって相手に守るの選択をさせにくく、「凍える風+鉢巻きウーラオス」の並びも多いため相手に初手で違和感を与えなかった。拘りアイテムの圧力もあり交代させにくいため、電磁波を押したら偶然サーフゴーや地面タイプに交代されてしまうということも無い。ダブルでも自分が得意する匿名性が高いポケモンでのズラしを上手く組み込めた。

 

ここまで決まったHB電磁波ハバタクカミ+ウーラオスは「①不可視の拳により守るの択を潰しやすくプレイヤー負担が少ない➁想定外の耐久振りで行動回数が増えやすい③型の選択肢が多いポケモンで相手にケアを強要させる」等、ダブル初心者の自分が実力差を埋めやすいものになっていった。ある種の初見殺し要素が強い構築であることや、友人間で電磁波ハバタクカミを使った影響で同種の並びが一時的に流行ってしまったため、ランクバトルでは終盤も2桁順位をキープ出来ていたが月末付近は潜らず予選に全てを賭けた。その甲斐もあってか予選で型がバレているような動きは一度もされなかったためこの判断は正解だったと思う。

 

・個別解説

採用順に解説し、努力値調整意図については優先度が高い順に記載する。

160(236)-x-117(252+)-155-155-158(20)@ブーストエナジー

草テラスタル

ムーンフォース 凍える風 電磁波 挑発

S

最速ウガツホムラ+ブーストエナジー抜き

ミラーは凍える風を撃たれても電磁波で素早さ関係を逆転出来るため振る必要がないと判断

HB

全てを耐えるためのほぼ特化

A178までのゴリランダーのウッドハンマーを確定で耐える

≒A165程度のウッドハンマー+半減グラススライダーを回復込み乱数で耐える

副産物ではあるがグラスフィールドの回復効率が良い16n

A194グラススライダー+C207迅雷をエナジーまで耐え

C

ムーンフォース+テラスタル棍棒or水流連打でタケルライコのテラス択を貫通して破壊

 

初手に出していき相手目線での素早さ関係や耐久ラインでの縛り関係を破壊していく。電磁波は強力な技であるものの外れてしまう可能性を孕んでいること、気合の襷を破壊出来ないという問題点を凍える風との両採用でケアしている。相手目線ではテラスタル+マジカルシャインのような行動も考慮すると安定行動が非常に少なく、ダブルでもこのポケモンの匿名性の高さによる押し付けの強さを感じさせられた。構築段階では想定出来ていなかったが、パオジアンの不意打ち+先制技でハバタクカミを縛る動きに対して電磁波でアドバンテージを取れる展開も多かった。特に不意打ち+迅雷の集中を透かすことが多く、補助技としての素早さ操作の強みが明確に存在した。

 

耐久振りに依る縛り関係のズラしはダブル勢の認識と上手く噛み合い、「HDゴリランダーはハバタクカミの攻撃を耐えるから有利」という考えに対してこちらは「HDゴリランダーはHBハバタクカミを1発で倒せないから有利」という構図を作り出すことが出来た。乱数次第ではあるがテラスタル込みで次のグラススライダーも耐えるためとんでもないアドバンテージを生み出すことが出来る。

ラスタルはほとんど使わないためグラススライダーやアクアジェットを半減しながらキノコの胞子や怒りの粉を無効化出来る草タイプとした。A194ゴリランダーのグラススライダーの最高ダメージが40なため先制技での処理に対して追加ターンを貰いやすい。

初手でウーラオスと並べる関係でモロバレルが重くなりやすいこと、トリックルームや瞑想の展開に抗うために挑発を採用した。

 

化身ボルトロスのような分かりやすい電磁波と違い、ブーストエナジーハバタクカミの電磁波は匿名性を含めて格が違う。そして何よりもダブルで電磁波ハバタクカミが流行ってすぐに消えたように「ダブル勢はまだ本当の強さに気が付いていない」とも感じた。今までシングル一筋でダブル初心者の自分が差をつけるならここしかないと感じ、全ての軸として考え続けたことが正解でとても嬉しい。1匹のポケモンへの追及を進める姿勢や速度を肌で感じられるシングル環境にいたことは大きな利点であった。

185(76)-200(252+)-121(4)-x-91(84)-129(92)@雫のプレート

水流連打 インファイト アクアジェット 見切り

鋼テラスタル

HB

テラス時にA189パオジアンの不意打ち+A204カイリューの拘り鉢巻きテラス神速を約98%で耐える。

S

最速ペリッパー抜き。-1状態の準速135族抜き。

耐久面の努力値に少し余裕があったため対雨の立ち回りを容易にした。

HD

トルネロスの木枯らし嵐やハバタクカミのマジカルシャインに巻き込まれることが多いため余りを振り切り。

A

155-101パオジアンを水流連打で確定1発。

「A200暗黒強打耐え」を水流連打で確定ラインにずらせる。

225-111までのタケルライコをムーンフォース+水流連打で約99%で倒す。

タイプがドラゴンでも貫通出来るためテラス択を作らず、物理に厚い耐久型の場合はフェアリーになるため水流連打のダメージで押し切れる。このような役割集中の動きは多い。

 

初手でハバタクカミと並べて一番強いポケモンとして採用。特性の不可視の拳によって相手は消極的な守るしか出来ないため電磁波や攻撃技が通りやすく、自分目線での択を容易にする。にも拘わらず相手目線でのウーラオスは拘りアイテムや気合の襷も考慮しないといけないため一方的に択の押し付けを行えている。

環境に多い「〇〇耐え調整」を1.2倍のアイテム補正で崩せることを知っていたため水技を強化するプレートを持たせた。アクアジェットの押し込みで有効に働きやすいことに加え、横のポケモンの抜群技と重ねることでテラス択を無視して倒し切る選択肢を取りやすいことが非常に強力である。ダブルバトルは対戦中に合算ダメージを計算する時間的余裕が少ないため、「自分しか知らない役割集中」で数多のポケモンを葬り去った。相手目線で考慮外の1ターンを作るためのダメージ計算を多くしたことが勝率に繋がったと感じる。

155-172(252)-105(4)-x-116-178(252)@竈の面

炎テラスタル

棍棒 グラススライダー 剣の舞 ニードルガード

AS

全てのオーガポンを破壊する振り切り。

ムーンフォース+テラスタル棍棒でドラゴンのタケルライコを余裕を持って1発。

等倍タイプのタケルライコであればテラスタル棍棒で210~248ダメージ。

A+1グラススライダー+後述するゴリランダーのグラススライダーで175-121ウーラオスが確定。

 

初手の2匹が呼びやすいモロバレルやゴリランダーに強いポケモンとして採用。

ダブルの上位記事を読み漁っていると「オーガポンは素早さを抑えた耐久振り、この指止まれの採用率が高い」ということに気が付いた。シングル勢の自分としてはオーガポンをアタッカーとして使わないことは勿体無く感じた上に、「オーガポンがキツい相手は速いオーガポン」であるにも関わらず素早さを落としているのは立ち回りにブレが生じると感じた。そのため舐めた相手のオーガポンを実質的に腐らせるために素早さは振り切りで採用。ダブル勢の認識として「炎オーガポンは水オーガポンに弱いから少ない」という話を聞いたが、自分としては「水オーガポンは炎オーガポンのテラス圧により毎ターン択を強いられる側のポケモン」という認識であった。この認識の差はランクバトルや予選でも大きく刺さり、甘えた行動をしてくるオーガポンを上からテラスタル棍棒で破壊する動きはイージーウィンに直結した。

棍棒+ニードルガードは汎用性の観点から確定で、草技はグラススライダーを採用した。ゴリランダーと並べることで効果の発動機会が多いこと、後述するゴリランダーが火力アップアイテムを持っていることにより相手目線で見えない先制技の縛りが多く発生する。ここまでの3枠である程度完結しているため最後の枠はスローな試合を1ターンで終わらせる剣の舞を採用した。特にガオガエン+モロバレルのような並びは試合テンポが遅いことが多く使う機会も多い。

ダメージ感覚や縛り関係等、シングルで培った知識により誰よりもオーガポンを上手く扱える自信があったため選出率はほぼ100%。ダメージ計算をした回数が強さに繋がる最高のポケモンだった。

199(188)-194(252+)-111(4)-x-91(4)-113(60)@緑のプレート

炎テラスタル

ウッドハンマー グラススライダー 十万馬力 猫騙

A

相手の認識をズラす振り切り+1.2倍アイテム。流行りのA165と比較して約1.4倍の火力が出る。

ウッドハンマー+テラスタル棍棒で227-178クレセリアが確定。

ウッドハンマー+後述する化身ランドロスの大地の力でポリゴン2やディンルーが毒テラスになっても貫通出来る。

→展開次第ではあるが火力ごり押しにより「メンタルハーブや交代による挑発の誤魔化し」を貫通する選択肢が取れる。

オーガポンのグラススライダーと重ねることで並耐久のアタッカーであれば行動することさえ許さない。

S

ミラーで猫騙しを上から通したい関係で余裕を持って抜けるラインであり、S-1の100族の上を取れるくらい。このラインは多いと考えたので+2。

HB

A136ガオガエンフレアドライブ耐え。

 

トリックルームや追い風の並びに対して猫騙しやグラススライダーで抗え、ウーラオスの水流連打の一貫も切れるので採用。最初は突撃チョッキで採用していたが、役割集中のダメージ計算をしている内に1.2倍補正があれば多くの条件を乗り越えられることに気が付いてプレートに変更した。これにより低速のサイクルやトリックルーム展開に対して初手に出し、猫騙しで1ターンを買うかウッドハンマーでそもそも展開させないかの二択を準備することが出来た。

ゴリランダーもサポート寄りの運用が多くされており上位記事では攻撃に振っていない型も多いため、テラスタルを使わない瞬間高火力で相手に行動をさせない選択が強く刺さった。持ち物や動きがバレる前に集中をすることが大切。

相手の後発パオジアンやガオガエンが重いためテラスタルは炎とし、サブウェポンはガオガエンやウガツホムラを削るための十万馬力とした。

書き切れないので省略するがグラススライダーやウッドハンマーで役割集中をする選択肢がかなり多く取れるため、このポケモンもダメージ計算をした回数が選択肢の多さに繋がる。

225(196)-x-112(4)-203(220+)-112(20)-104(68)@突撃チョッキ

電気テラスタル

竜の波動 迅雷 エレキネット バークアウト

C

196-100化身ランドロスがハバタクカミの凍える風+竜の波動でほぼ確定。

耐久振りの水ウーラオスを迅雷で倒せるくらい。

S

素早さ-1化身ランドロス+3。

遅いミラーを抜けるくらい。スタン相手にはあまり出さないのでおまけレベル。

HBD

総合耐久を意識した振り分け。ゴリランダーとの同時選出が多いためHPは16n+1。

183化身ランドロスちからずく+命の珠大地の力を15/16耐え。

 

軸の4匹で勝てない相手に出す補完として採用。主な仮想敵はトリックルームや追い風の展開であるため選出率は控え目であるが「パーティーにタケルライコがいる」という圧力が優秀であった。予選環境では追い風パーティートルネロスが地面テラスになってタケルライコへの初見殺しを試みてきたが、数値を活かした突撃チョッキ持ちであるため1発では崩れず、逆に相手が1ターンを無駄にするような展開も多かった。タケルライコは初見殺しでカモられやすいポケモンではあるが数値の高さでそれを乗り越えた。

特にこのパーティーに対して初見殺しをされる要素としては①電磁波対策の電気や地面テラス②追い風パーティーの地面テラス(トルネロスやトドロクツキ)が多い印象であるが、どちらも「飛行やドラゴン等の草技を半減してくるポケモンがタイプを変化させる」ことが多いため、そのターンはアドバンテージを取られてしまっても最終的には後発のグラススライダーで回収するような展開も多く生み出せた。このような「相手のテラスタルを誘発して別のポケモンで回収する動き」はシングルで何度も経験しているため、予選環境で初めて見るようなテラスタイプのポケモンにも対応することが出来た。初見殺しテラスタルには一度も負けていない。

しかし改善点があるとするならば、実際にはされなかったが「初見殺しテラスタル+集中の動き」をタケルライコが耐えられない可能性があるため火力よりも特殊耐久方面を伸ばした方が良いと感じた。タケルライコはその性質上特殊方面から奇襲を受けやすいため多少の物理耐久の低下は勝率に直結しないと考える。

196(252)-x-111(4)-183(252+)-100-121@命の珠

ゴーストテラスタル

大地の力 ヘドロ爆弾 身代わり 守る

C

アイテム補正無しのガオガエンを1発で倒すための特化。

毒テラスになることが多いポリゴン2やディンルーに対してウッドハンマーと合わせて集中しやすい。

S

低速サイクル相手にしか出さないため無振り。

HBD

努力値が余ったのでHP振り切り。身代わりのHPを増やす目的もある。

 

ここまでの5匹+1匹では海外大会で結果を残し一定数以上環境に居座る、ディンルー+ポリゴン2+ガオガエン+モロバレルのようなサイクルパーティーに対して正攻法で勝てる気がしなかったので、霊獣ランドロスをゴーストテラスで採用することで解決とした。このポケモンは毒や鋼の耐性テラスに変化することが多く、実際その変化は強いのだがどうしても「猫騙しやテラスタル読みという名のじゃんけん」をしているだけにしか思えず、それならばと初手から破壊する方針に切り替えた。化身ランドロス+ゴリランダーによる攻めの相性補完は素晴らしく、例えばガオガエン+ポリゴン2のような並びはゴーストテラス大地の力+猫騙しで1ターンを買えるし、ディンルー+ポリゴン2に対しはディンルー方向に大地の力とウッドハンマーの集中で毒テラスに加えてガオガエンモロバレルへの交代ケアも出来る。このような集中攻撃はある意味で初見殺し的な要素も持ちながらパーティーの見た目や中身を歪ませないことが美しい。相手目線で「されたらヤバいかも」と過ぎっても選択時間の45秒では計算が終わらない人が多いのではないだろうか。

化身ランドロスの枠は仲間内で「変えるならこのポケモン」と言われ続けていたものの、このような集中の動きが出来るのはゴーストテラスの化身ランドロスしかいないと信じて推し続けたことが成果に繋がってとても嬉しい。選出率は低いが勝率はかなり高い。

 

・選出

ほとんどの相手にハバタクカミ+ウーラオス+オーガポン+ゴリランダー

試合展開の序盤に匿名性を活かした数的有利を狙い、電磁波+先制技でそのアドバンテージを逃げ切る。相手視点で「ケアするか微妙な技や持ち物」が多く採用されているため相手目線での動きから逆算することが大切。

個別解説で書いたようにギミック相手にはタケルライコ、低速サイクルは化身ランドロスを軸に崩していく。

過ぎた環境であることや選出よりもダメージ計算を軸とした動きの方が大切なため詳しくは省略する。

 

・雑感

毎年やるやる詐欺をして逃げ続けていたダブルバトルに真剣に向き合い、久しぶりに心から「勝ちたい」と感じてポケモンバトルの楽しさを思い出した。

リキキリンの特性や技の優先度も分からない状態でも笑いながら優しく教えてくれる友人に恵まれて本当に楽しかった。ダブルバトルを教えてくれたぷりずむ君やらみるーさん、同じタイミングでダブルを始めてくれたブロGさんのおかげで「分からないのは自分だけじゃない」という感覚を持ちながら楽しく成長することが出来た。来年も絶対やりたい。

ポケモン竜王戦2024 最終32位 メモ

記事として思い出を残しておきたかったのでメモ。

https://yinyangpoke.hatenablog.com/entry/2024/01/23/000645

上記の構築を使用し最終32位だった。本戦権利は8位までしか得られない。

1ロムでしか参加出来ない制限や、一人で環境考察を続けるにはある程度限界があるので、このような特殊ルールは複数人で考察することでかなり有利になると感じた。

特に45戦という対戦回数制限がマッチングや運の噛み合いとして非常に大きい要素なため、複数人での使用は完成度の高い構築を予選で殺さないことにも繋がる。

対戦回数の限られた大会は久しぶりに手に汗握る対戦をさせてくれた。この感覚を忘れていたし、この集中力でランクマッチにも取り組みたいと思った。

S11最終98位 2113 匿名ハバタクカミ

構築のコンセプトは「初手のアドバンテージ」。初手で出し負けないポケモンを探し続け、襷ウーラオスカイリュー等を試したがどうしてもケア出来ない裏目が残ってしまった。そこで「何をしてくるか分からないハバタクカミ」であれば相手視点で甘えた行動が出来ないことに気が付き、その1ターンでアドバンテージを勝ち取り逃げ切ることを意識した。「個性の無い並び」で再戦での一点読みも出来るだけケア。

偶然ではあるが、前回記事に引き続き今回も相手の初手ウーラオスをカモる並びとなった。ウーラオスの水流連打は「確定急所なためダメージが伸びず追加効果もない」のでもしかしたら今の環境で一番カモりやすいのかもしれない。

 

・レンタル

youtu.be

・構築経緯

出来るだけ択を生まずに運負けしにくいポケモンとして最初は気合の襷を持ったウーラオスを初手に出すことから考えた。このポケモンはパオジアンに氷柱落としを撃たれにくく、ハバタクカミが電磁波を撃ってきたとしても麻痺さえしなければ数的有利から展開を進めやすい。

しかし考えることは多くの人が同じで、初手でウーラオスミラーが起きた場合はインファイトの同速負けゲーになってしまったり、それを避けるために交代をしても拘りアイテム蜻蛉返りからのハバタクカミ展開の餌食になってしまうこと、そもそも初手ガチグマを無視したパンチグローブ型に負けてしまう等の無視出来ない裏目が多く没となる。

他にも色々試したが省略すると最終的に「初手HB電磁波ハバタクカミがブーストエナジーバレしていなければ強い」とういうことに気が付いた。

 

・個別解説

採用順に解説し、努力値調整意図については優先度が高い順に記載する。

146(124)-x-107(252)-155-155-189(132+)@ゴツゴツメット

みずテラスタル

ムーンフォース 祟り目 電磁波 挑発

HB

A200ウーラオスの水流連打99%耐え

出来るだけ高く

S

最速トドロクツキ抜き

準速パオジアン抜きの188にしていたら素早さ種族値を知らない初手鉢巻きトドロクツキに非テラス叩き落とすを撃たれまくったため上げた

C

大体の耐久振りウーラオスゴツゴツメット3回+ムーンフォースで倒す

(拘りスカーフ+みずテラスタル想定)

 

匿名性の鬼。相手に展開をさせず、自分の展開だけを通す。

こちらのガチグマが誘うカイリューやウーラオス、オーガポンに対してかなり有利を取れる型。アイテムが見えないハバタクカミに対して交代という選択が非常に脆く、ある程度以上の対面性能があるポケモンには交代をさせないため電磁波が通る。電磁波を無効にする地面枠ではハバタクカミの拘り眼鏡を受けられない。

特にサイクル構築は初手の拘りスカーフウーラオスのみずテラス水流連打でアイテム不明のハバタクカミを倒す動きがテンプレ化しており、その動きにこちらもテラスタルを合わせることで一方的に数的有利を取れる。ジャポの実ではダメージが足りずこの動きに対応出来ないためゴツゴツメットを採用した。

チオンジェン+ドヒドイデのような並びはドヒドイデしかハバタクカミ受けがいないことも多く、挑発+ゴツゴツメットドヒドイデを削りムーンフォースを撃つことで相手に1匹を切らせることも出来る。これもゴツゴツメットにしか出来ない。

 

ハバタクカミの裏にはウーラオスやオーガポン、カイリューのようなステルスロックが刺さってしまうポケモンを置くことが多いがその点も高速からの挑発でケアが出来ている。特にコノヨザルに対しては挑発→電磁波でテラスを使わせながら裏の圏内に入れ、命懸け無効が偉い。

 

初手に耐久振りのハバタクカミを出して電磁波を撃つ動きに関してはかなり否定的な考えであったが、一番選出されやすいウーラオスには電磁波を絡めずに対面処理が出来ること、ブーストエナジーと違い交代をしても損をしにくいこと、相手視点で拘りアイテムや気合の襷を切れないこと等を考えると使用感はかなり良かった。

183(220)-165(76+)-124(156)-x-117(4)-137(52)@お面

ツタこんぼう ウッドホーン 電光石火 剣の舞

HB

A200ウーラオスのグローブ水流連打+アクアジェット耐え

A200テラスタル水流連打耐え

S

準速サーフゴー抜き

A

余り 効率の良い11n

 

高い対面性能を持っていながら崩し枠にもなれること、相手のハバタクカミのブーストエナジーが見えていれば耐性を活かして後投げが出来ることを高く評価して採用した。

ハバタクカミとオーガポンはどちらもテラスタルに依存しない型であるが、どちらもテラスタルをすることでケア出来る範囲が大幅に広がるため並びとしての相性がかなり良い。

素早さを少し遅く設定しているためミラーに弱いようにも思えるが、こちらのハバタクカミが相手のオーガポンに麻痺を入れやすいため遅いことを不便に感じたことはなかった。

調整は振り直すのが面倒だったためくろもち君が使っていたものを流用した。いや、パクった。

175-200(252+)-121(4)-x-80-149(252)@気合の襷

インファイト 水流連打 アイススピナー アクアジェット

フェアリーテラスタル

AS

振り切り

ミラー意識のS244振りも試したがパーティーの性質上2匹目以降に展開することが多く、削れた状態で相手のウーラオスと対面すると一方的に不利になりやすかった

 

特筆すべきことも無いがオーガポンと並びの相性が良い襷枠であり、ハバタクカミの甘えるにも耐性がある。

氷技はカイリューの羽休め連打等にリスクを与えられる冷凍パンチが好みではあるが、インファイト+冷凍パンチではHBカイリューに対して非常に怪しい乱数なためダメージ意識でアイススピナーを採用。

 

ラスタルは後発カイリューのスケイルショット展開を咎められるようにフェアリーを採用した。途中までゴーストで使っていたが後発のノーマルカイリューはそもそもキツくないこと、スケイルショット型に対しても運が悪くない限りは負けないがテラスタルが余った時に安定択を取れるフェアリーが良いと判断した。

オーガポンとウーラオスは通常カイリューに強いとは言えないため、ウーラオスのアイススピナーでテラスタルを強要するかオーガポンで事前に剣の舞を積んでごり押せるように準備をしたい。

175(68)-202(236)-140(196)-x-121(4)-101(4)@拘り鉢巻き

逆鱗 アイアンヘッド 炎のパンチ 神速

ノーマルテラス

HB

A204カイリューのノーマルテラス+1しんそくをマルチスケイル込みで2耐え

【SVシングルシーズン8】壁レジエレキ入りマルチ展開【最終18位】 - 真昼の星

 

対面性能の高い強力な先制技持ちで、初手に出しても2匹目以降に出しても強い。たまに当たるハッサムをメタルコートに戻してあげるための炎のパンチ採用。

こちらのハバタクカミが相手のステルスロックを拒否出来るため裏に置き、マルチスケイルを盾にした強引な後出しから高火力を押し付けることも出来る。

初手に出した場合は弱点保険をケアした交代や電磁波を撃たれることが多く、拘り鉢巻きの火力で咎めそのまま試合を終わらせることも多かった。

HA振りではなく物理方面に寄せているのは相手のカイリューに対して投げる展開を多く想定しているため。特殊に対しての耐久は元々足りているので非常に使い勝手が良い。

自然と崩し枠になれることもポイント。

191(228)-x-116(4)-180(84+)-129(140)-111(52)@拘り眼鏡

ゴールドラッシュ シャドーボール 10万ボルト トリック

でんきテラスタル

HD

C205イーユイの等倍拘り眼鏡火炎放射を耐える

S

ミラーや中速を意識

C

余り

ラスタル+10万ボルトでドヒドイデを余裕を持って倒す

 

上記の対面駒4匹ではほぼ間違いなくドヒドイデが絡む受けサイクルに勝てないため電気テラス+拘り眼鏡で採用。拘り眼鏡や10万ボルトが見えるとドヒドイデが居座ってくれずに択になってしまう可能性があるので「サーフゴーの一手目がテラス10万ボルト」になることを意識する。

受け構築に対しての崩しだけを意識するならイーユイを採用した方が良いように思えるが、選出画面での圧力が高過ぎるが故に選出じゃんけんをしているだけになることも多く、それなら崩しの力を落としたとしても相手が想定しやすい動きをしてくれるサーフゴーの方が勝率を稼ぎやすいと判断した。パーティーに鋼がいないとこちらのカイリューの耐久型を切られてしまう懸念もあった。

 

220(252)-x-189(252+)-155-86(4)-72@食べ残し

ハイパーボイス 瞑想 欠伸 月の光

どくテラスタル

HB

クレセリアを越える圧倒的耐久

 

主に相手のカイリューへの切り返しや毒を絡めた低速サイクルへの崩しとして採用。

ここまで物理耐久に振ることでカイリューへの切り返し性能は素晴らしく、欠伸や瞑想を絡めることで起点にすることさえ出来た。

似たような役割のポケモンとしてカバルドンを採用していたこともあったが、自らが詰め筋になれない点や「ノーマルタイプがいる」という圧力で相手のハバタクカミがこちらの削れたハバタクカミにゴースト技や電磁波撃ってこないケースが多かったため、圧力としてもガチグマが優れていると判断した。

 

・選出

パターンが多過ぎるので柔軟に。

対面構築ミラーは

ハバタクカミ オーガポン ウーラオス カイリューから4匹が多い

 

・雑感

最終日付近に初手置きポケモンをウーラオスからハバタクカミに変更したため細かいところで改善出来そうな箇所が見受けられるが、コンセプトを通すという意味ではある程度は形になった。

ハバタクカミの情報がかなり大切な並びなので出来るだけ「個性の無い並び」にすることで再戦での型バレ読みを避ける努力をした。気が付いている人はいたかもしれないが露骨な読み行動はされなかったのでこの試みも成功だったと思う。

今月はかなり久しぶりに2ロム体制で上を目指したが、「負けてももう1ロムある」という慢心であまり集中して対戦出来なかったのでこの点はかなり反省。