S8最終52位 2113 HBオオニューラ始動展開

構築のコンセプトは「一方的な上振れ」。詳しくは後述するが「ウーラオスの水流連打には運負けしない」ということに気がつき、「相手に水流連打を気持ち良く選択させながらそれをカモる」ことを最重視した。レギュレーションDはウーラオスが最強のルールであり採用していない構築の方が珍しいので環境とコンセプトが上手く合っていたと感じる。副産物としてパオジアンを呼びやすい構築にも仕上がり、こちらもカモにすることが出来るため勝率に繋がった。

このコンセプトを実現するためのポケモンとしてオボンの実を持ったオオニューラを選択。ウーラオスの水流連打を誘えるとともに、こちらはフェイタルクロー+インファイトで処理が出来るため再現性の高い上振れを狙える。

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・構築経緯

環境初期にうわっきー君(@Porygon__X)が使っていた、気合の襷オオニューラ+テツノツツミ+カイリューの展開が作業的でありながら非常に強力であると感じたので自分なりにアレンジした。特に環境に増えてきた「オオニューラに有利ということになっているサーフゴー」をカモることを意識している。

オオニューラは無対策の相手には圧倒的な強さを誇る一方で、対策の厚い相手に対しては何も出来ないという状況が発生しやすい。しかし裏を返せば相手が取る行動が分かりやすいため軸に据える価値があると感じた。

気合の襷では連続技や先制技への耐性が乏しかったので次にHB振り拘りスカーフのすりかえからの展開を考えた。こちらもある程度は強くシーズン中盤で2桁を維持することは出来たが、少し後の時期に増えてきた硬いサーフゴー入りに対しての安定行動が少なく、使っていて気持ち良くなかったため諦めた。

隠密マントの流行等により一時期はオオニューラから離れていたが、冒頭で説明したように耐久振りのオボンの実であればウーラオスやパオジアンをカモりながら裏のサーフゴーを含めた並びまで処理が出来ることに気が付き採用した。かなり自信があったので最終日以外ではランクマッチで使わずに動きがバレないよう気を付けた。

 

・個別解説

採用順に解説し、努力値調整意図については優先度が高い順に記載する。

187(252)-182(124+)-95(116)-x-102(12)-141(4)@オボンの実 軽業

ゴーストテラスタル

インファイト フェイタルクロー シャドークロー 毒菱

HB

A189パオジアンの氷柱落とし+氷の礫をオボン込み確定耐え
A200パンチグローブウーラオスの水流連打+アクアジェットを約99%耐え

HD

C205拘り眼鏡ハバタクカミのムーンフォース≒C176拘り眼鏡テツノツツミのハイドロポンプを約88%耐え

前者は振り切りが少なく、後者は命中率考慮で少し乱数を甘えた

C187ハバタクカミのムーンフォースを約99%でオボン込み2耐え

A

技の追加効果は非考慮。

175-121連撃ウーラオスをフェイタルクロー+インファイトで約95%で倒す

155-101パオジアンをフェイタルクロー×2で倒す

155-101パオジアンのゴーストテラスをフェイタルクロー+シャドークローで約20%で倒す

終盤はあまりされなくなったが猫騙しケアのテラスタルやゴーストタイプ引きにも追加効果を考えると一貫してフェイタルクローを押しやすい

175-116サーフゴーをシャドークロー×2で約90%で倒す

サーフゴーに対してシャドークロー+後述のテツノツツミのハイドロポンプが183ダメージ~

=オオニューラに出てきたサーフゴーに対して明確な処理ルートがあり、展開の順番をシャドークローや被ダメージから確認出来る

S

余り。一時期は軽業込みでブーストエナジーの発動したテツノツツミ抜きにしていたが、相手目線では抜かれていて出してもらえないため全く活きず、他に回した方が有意義と判断した。

 

かなり自信のある配分。フェイタルクローの追加効果がなくとも数値が足りていることが本当に偉く、役割遂行の上振れとして運勝ちがついてくる、

ほとんどの構築で採用されている「ウーラオス パオジアン ハバタクカミ」を起点にしながら対面で勝つことも出来る。

隠密マントが採用されていない構築ではフェイタルクローに運負けしないように処理を急がなければならず、結果として読みやすい素直な試合展開になりやすい。

ウーラオスやハバタクカミがこちらに運勝ちするには1度の試行回数で急所に当てなければいけないが、こちらはフェイタルクローによって耐久振りのラインすらズラすことが出来る上に、上振れの後攻催眠を引いた場合は確定で毒菱展開にまで繋げられる。あまりにも不平等である。

パオジアンに対して誰もが頭を抱える「氷柱落としで怯んで何も出来ない」という問題を軽業のオオニューラなら素早さ関係を逆転することで誤魔化せる。氷柱落としは命中不安技なため運ゲを仕掛けているのはこちら側とまで言えるかもしれない。

オオニューラは優秀な複合タイプによってテラスタル択になりにくい点も評価が高い。たまにウーラオスが毒テラスタルを使ってきたが無効に出来る状態異常は毒だけであることや、そもそも裏のテツノツツミやカイリューには全く強くないテラスタルの使い方なため問題がない。

A種族値が130もある格闘タイプなため投げられる鋼は実質サーフゴーやアーマーガアに絞られる。

終盤環境で増えていた風船サーフゴーを触る展開も多く後述のカイリューが活かしやすかった。

かなり重要な知識として「どく」と「もうどく」では3ターン目まで合計ダメージが同じなため基本的に毒菱は一度しか撒かない。

193(212)-204(252)-116(4)-x-121(4)-105(36)@食べ残し

ノーマルテラス

神速 地震 竜の舞 羽休め

HB

A204+1ノーマルテラスカイリューの神速をマルチスケイル込みで2耐え出来るライン

A

不特定多数の相手を削り切るために特化

155-101パオジアンを毒ダメージ1回と+1ノーマルテラス神速で倒す

131-103ハバタクカミを毒ダメージ1回と+1地震で約81%で倒す

A204拘り鉢巻き地震耐えまで落とせるので耐えられることは少ない

S

+2状態でテツノツツミ抜き

ミラー意識で少し多めに

 

オオニューラからの毒菱展開を最も活かせるポケモンとして採用した。

特筆すべきことは特にない普通の型であるが、毒ダメージの絡んだダメージ計算式は頭に叩き込んでおく必要がある。

この手のカイリューはテラスタルを使わされた後に出てくる気合の襷持ちウーラオスが厳しくなりがちだがその問題も毒菱によってクリア。雑にテラスタルを切ると毒で気合の襷を潰すターンにインファイトで倒されるのでタイミングには注意が必要。

竜舞カイリューの天敵である甘える持ちのハバタクカミでさえも毒状態にすれば突破出来る。

タイプ相性も含めてとにかくオオニューラと相性が良い。

131-x-134-176(252)-81(4)-206(252+)@ブーストエナジー

ゴーストテラスタル

ハイドロポンプ フリーズドライ アンコール 身代わり

C

131-155ハバタクカミを毒ダメージ4回+ハイドロポンプで倒す。

155-85パオジアンを毒ダメージ1回+ハイドロポンプで約69%で倒す。

175-81等倍ウーラオスを毒ダメージ2回+ハイドロポンプで倒す。

これらを満たすために毒菱は1回であることが重要。

S

ミラーやハバタクカミ意識で最速

HD

テツノツツミミラーでステルスロック込みのフリーズドライ被弾後の生存率が約68%から約82%になるため端数振り。

 

相手の展開を止めながらこちらも展開出来るポケモンとして採用。オオニューラは竜舞カイリューに強い打点がないため追加効果を引けない場合は起点にされかねないが、ブーストエナジー持ちでゴーストテラスタルのテツノツツミを採用することで展開負けを防げる。

今までに過去の記事でも紹介したように様々な「ハイドロポンプを撃たないアプローチ」に取り組んできたが今回が一番上手くいったように感じる。ダメージ計算ではハイドロポンプ絡みを多く載せたがこれはあくまでも保険。実際はアンコールで切ってカイリューに繋ぐ展開も多いためハイドロポンプは上振れ要素となる。アンコールの存在によって直線的な展開でありながらかなり選択の幅が広い。

軽業を発動したオオニューラを止めるために相手は先制技を撃つことが多く、ゴーストテラスタル込みの耐性やアンコールは並びとしての相性が良い。

212(228)-132-158(44+)-x-122(236)-67@フィラの実

地震 ステルスロック 欠伸 吹き飛ばし

HB

A200パンチグローブウーラオスの水流連打を素で約95%耐え(木の実を食べない乱数がある)

A200拘り鉢巻きウーラオスの水流連打をフィラの実込みで約97%耐え

HD

C205拘り眼鏡ハバタクカミのテラスタルムーンフォースを約94%耐え

C176テツノツツミのハイドロポンプを確定耐え

余り

 

オオニューラでは展開負けしてしまう壁やバトンを誤魔化す枠として採用。同じ吹き飛ばし持ちのディンルーや呪いミミッキュも試してみたが、相手目線で舐めた選出が出来ないカバルドンに落ち着いた。

カイリューに後出しからマルチスケイルを削る動きも勿論優秀だが、選出画面にいるだけで相手の選出が予想しやすいのも評価が高い。カバルドンの圧力によって初手に呼びやすいポケモンは基本的にオオニューラが有利を取れるので、パオジアンや拘り眼鏡のハバタクカミまで含めると8割近くはオオニューラの有利対面から試合を始められていたように感じる。

毒菱だけでは崩し切れないサイクルや特にキョジオーン相手は後述のウーラオスやサーフゴーと合わせて崩していく。

フィラの実でも対ウーラオス性能は保てていたので問題はなかった。

175-200(252+)-121(4)-x-80-149(252)@黒い眼鏡

悪テラス

暗黒強打 不意打ち 剣の舞 身代わり

A

大体の耐久振りHBカイリューステルスロック+テラス暗黒強打で倒す。

あらゆるポケモンを破壊

S

拘り眼鏡サーフゴーに対して安心して技を撃ちたいので最悪でも同速になる準速。

遅いミラーを抜ける(目安)

 

ここまでで状態異常が効かないキョジオーン入りが特に厳しかったので身代わり持ちで採用。キョジオーンがボディプレスを持っていない場合はフェアリーテラスであろうが暗黒強打で貫通出来る。特性の不可視の拳によって守るを貫通出来るため、守る+身代わりのキョジオーンにも誤魔化されない。

キョジオーンとよく組んでいる耐久振りカイリューとハバタクカミを倒すために黒い眼鏡を持たせた。+2テラス不意打ちは半減のハバタクカミでさえ余裕のワンパンなので止めることは非常に困難。

余談ではあるが、よくポケモンの話をする友人のくろもち君が「8世代の鉢巻き暗黒強打と9世代の黒い眼鏡テラス暗黒強打は指数が同じなんですよ」と喜んでいた。この型のアイデアは彼からパクった。

191(228)-x-159(236+)-153-111-110(44)@隠密マント

祟り目 気合玉 電磁波 自己再生

HB

A172パオジアンの氷柱落とし+噛み砕くを約90%耐え(目安)

S

ミラーや速いカイリュー意識

麻痺した最速の+1カイリュー抜き

余り

 

キョジオーン入りに対してはカバルドンとウーラオスで崩していく方向性は決まったが、一度キョジオーンにテンポを取られてしまうとウーラオスが着地出来るタイミングがないことが課題であった。隠密マントを持たせたサーフゴーであれば塩漬けを半減に抑えながら回復技を持てるため立ち回りに余裕があり、尚且つ電磁波のサポートによって高速ポケモンに対してもウーラオスが上を取りやすい。

本筋とは逸れるが、個人の考えとして「隠密マントの悪巧みサーフゴーで上手いキョジオーン入りは崩せない」と考えているため、隠密マントでありながらサポートに寄せている。型としての汎用性が高いのでキョジオーン入り以外にもサイクル構築相手に選出がしやすく、氷柱落としや噛み砕くによって事故が起きない点も良かった。

 

・選出

対面構築

オオニューラ+テツノツツミ+カイリュー

サイクル構築

ウーラオスカイリューの通るビジョンが見えやすい方+2匹

同時選出で役割集中をすることもある

壁やバトンの展開構築

カバルドン+2匹

その他多くは柔軟に。直線的なように見えて選択肢が多いので意外とプレイングが出る。

 

・雑感

環境の種族値が大きく上がったS8で相手に対応し続けることは無理だと考えたので押し付けることだけを考えていた。

S8の期間で8割以上はオオニューラのことを考えていたので誰よりも開拓した自信があり、それが結果に繋がって良かった。

中盤環境ではオオニューラが大流行しそれに対してのメタが蔓延したことによって諦めることも考えていたが、大多数のオオニューラ使いが「対策を乗り越えられない」と諦めてくれたおかげで月末環境ではオオニューラの通りがかなり良いと感じた。

スカバイ環境はパオジアンを筆頭としたポケモンの影響で「運が絡むくそ環境」と揶揄されることも多いが、今回のウーラオスを誘ってカモるプランのように工夫の仕方で運負けを最大限回避出来ることが分かったのは大きな収穫であった。

 

・神

オオニューラ展開が行き詰まって困っていた時の葉桜杯で前日に最強の構築を貸してくれたくろもち君(@curoGMmt)。

彼のおかげで葉桜杯を優勝出来たし、ここで折れなかったおかげで気分を前向きに考察を続けられた。