第62回葉桜杯にて以下の構築を使用。予選と合わせて全勝で優勝した。
S28にておろしぽんずさんに使って頂き22位を取った構築をベースとしている。
S28最終22位 匿名ザシオーガ 使用者おろしぽんず - 発寒厨の蜻蛉日記
コンセプトは変わらず「匿名性の高いポケモンで相手視点でのみ択を発生させ、上振れを押し付ける」。
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・構築経緯
匿名性が高く安定行動が上振れに繋がるポケモンを軸にした構築が弱いわけがないと確信していたので、前回の構築に少し手を加えて自分好みにした。大体のことは前回記事で解説したため以下抜粋。
「カイオーガの安定行動による上振れ性能、相手にダイマックスを強いる圧力に注目。ダイマックスを主軸としないカイオーガには拘りスカーフを持たせることが一般的であるが、潮吹きという技には追加効果が無く、上振れ性能を潰しているように感じた。
考察の過程で突撃チョッキ持ちのCSカイオーガはザシアンと組ませることで相手にだけダイマックスを強いる展開を多く作れ、雷や冷凍ビーム等の上振れ技を安定択として撃てることに気が付いた。
この並びが強いと確信したダメージ計算は以下であり、計算結果は雷+EF雷+巨獣斬の合算ダメージを示している。
ざっくり説明するとH191までのカイオーガであればダイマックス+突撃チョッキを持たれていても89%で倒せる(麻痺急所非考慮)。
初手でこちらのカイオーガと相手のカイオーガが対面した際、こちらは相手のカイオーガの型が何であれ雷を選択することが安定択となる。
準速まで引き上げたカイオーガは相手視点で、相手の特性が速く発動した場合は「硬いチョッキ」に見え、こちらの方が速い場合は「速い拘りスカーフ」に見えるので、一方的にダイマックスを強いりながらこちらのみ情報アドバンテージを得られる。
一方的にダイマックスを強いることの一番強い点は、こちらは雷を2回撃つことで51%で麻痺させることが出来るが、相手視点の上振れ要素はダイサンダーを急所に当てることのみでありながら、火力アップアイテムを持っていないカイオーガの攻撃でこちらの突撃チョッキカイオーガが1発で倒されることはないので、相手視点では上振れ要素が実質存在しないのである。
何百戦と対戦を行うランクマッチでは、安定行動による上振れ要素が間違いなく勝率に繋がると考えた。
相手にダイマックス権を使わせた後の詰め筋として3匹目にはアッキサンダーを採用した。
剣舞ザシアンが増えていることで一般的には評価が下がっているポケモンではあるが、正しい使い方をすれば上振れ要素の塊の詰ませポケモンだと考えている。」
・個別解説
以下採用順に解説していく。
カイオーガ 175-108-111-222-160-142
ザシアン 195-242-135-x-135-175
サンダー 197-x-150-145-110-121
ランドロス 165-197-110-x-100-157
ポリゴン2 191-90-156-125-115-82
ヌケニン 1-156-45-x-50-92
175-108-111(4)-222(252)-160-142(252)@突撃チョッキ
潮吹き 雷 冷凍ビーム 岩石封じ
C
構築経緯で触れた雷+EF雷+巨獣斬で突撃チョッキ持ちカイオーガを落とせる範囲を重視した振り切り
HD
C202カイオーガの潮吹き+ダイサンダー耐え
C222カイオーガの珠ダイサンダー耐え
S
拘りスカーフ以外のカイオーガ意識の準速
副産物として激戦区S140付近抜き
現環境で多発するザシオーガミラーへの回答として特攻と素早さに振り切って突撃チョッキを持たせた。これによって相手のカイオーガの型判別がしやすいだけでなく、環境のカイオーガはミラー意識でS135付近まで上げていることも多いため、更に速いこちらのカイオーガの拘りスカーフを警戒せざるを得なくなる。
耐久に振らないとC194珠サンダーのダイサンダー×2でダイマックスをしても倒されてしまうが、その場合はダイジェットを積まれずザシアンで縛れるため問題無いと考えた。
ザシオーガ+ヌケニンの構築が流行っているので選出を歪めないために岩石封じを採用した。カイオーガミラーでは基本的にダイマックスを切らないため、ヌケニンに引いてダイマックスを枯らす動きを咎められる。原子の力ではない理由は黒バドッレクス等の足を奪いザシアンで縛れるようにするため。突撃チョッキ+ダイアースを積んでくるWキュレムに対してダイロックが最低限の打点にもなる。
195(220)-242(236)-135-x-135-175(52)@朽ちた剣
巨獣斬 じゃれつく ワイルドボルト 電光石火
A
構築経緯で触れた雷+EF雷+巨獣斬で突撃チョッキ持ちカイオーガを落とせる範囲を重視
H
余り
AorC201命の珠イベルタルのダイジェット+ダイアーク耐え
S
準速エースバーン抜き
ミラー意識(抜いてない前提で組み立てるため努力値の無駄だった)
カイオーガが耐久に振っていない関係で物理特殊問わずイベルタルが非常に重いため、天候の雨と合わせて広く誤魔化せるザシアンを採用した。
ザシアンに素早さを求める場面が少ないためHAベースとし、努力値に余裕があったのでミラー意識で少し素早さに回してみたが、ミラーで抜けたことはない上にそもそも抜かれている前提で試合を組み立てるため努力値の無駄でしかなかった。攻撃を振り切って巨獣斬+電光石火で縛れる範囲を増やした方が有意義である。
技構成はイベルタルとの撃ち合いで重要になる巨獣斬と電光石火、選出されやすいトリトドンへの打点としてのじゃれつくとし最後にワイルドボルトを採用した。ザシアンが電気技を持つことでホウオウ+ジガルデのような構築に選出を躊躇いにくくなる。一般的なザシオーガではインファイトを採用することが多いが、撃ちたい相手のナットレイやディアルガにはカイオーガやサンダーと合わせて役割集中をすれば削り切れるため無くても良いと判断した。
197(252)-x-150(252)-145-110-121(4)@アッキの実
暴風 放電 身代わり 羽休め
HB
A184命の珠エースバーンのダイアタックに対面から羽休めが間に合う
副産物としてザシアンに投げた場合の生存率が上がる振り切り
S
+2で拘りスカーフヒヒダルマ抜き
カイオーガやザシアンと並べることで型の匿名性が飛躍的に上がるポケモン。選出画面でこのポケモンの命の珠の可能性を切らせない構築を意識した。
アッキの実持ちサンダーが真価を発揮する使い方は後発のダイマックスエース。カイオーガやザシアンで場を荒らし、スイーパーとしてサンダーを通すことで麻痺に頼らずとも圧力をかけられる。
これだけなら命の珠を持たせてもいいように感じてしまうが、場を荒らした後に裏から展開するサンダーが求められる火力はさほど高くないため、それなら最悪の場面でも運に頼りやすいように耐久振りした。現環境のザシアンは剣の舞を持っていることも多いが、先に展開してしまえばこちらが圧倒的に有利な確率を引っ掛けにいける。
身代わりの枠は熱風と悩んだが、HDナットレイに耐えられて宿り木からテンポを取られると不快なゲームメイクが求められるので外せなかった。
165(4)-197(252)-110-x-100-157(252)@命の珠
地震 空を飛ぶ ストーンエッジ 自爆
A
213-156ホウオウにストーンエッジが117.4~139.0%
有象無象意識の振り切り
S
カイオーガやゼクロム意識の最速
S28にておろしぽんずさんが使用していた珠ランドロスを参考にして採用。カイオーガの拘りスカーフ判定やゼクロムに択を生みにくい最速とした。
過去にランドロス展開の黒バド+ザシアンの記事でも解説したが、カイオーガが多い環境の最速ランドロスは選出から非常にゲームメイクがしやすい。この構築では相手のカイオーガに対して型を判別しつつランドロスからカイオーガ引きが成立する。
今回は範囲を取った技構成の最後に自爆を採用した。初手に出されやすい命の珠持ちガマゲロゲの展開を許さず、後発ダイマックスに対してはダイアタックで抑え付けながらザシアンを通すことが出来る。補助技として剣の舞だけは唯一考えたが、相手側の甘え行動に対してしか撃てそうになかったため見送った。ダイウォール→空を飛ぶでは後発ダイジェットを止められないことも大きい。
191(244)-90-156(252)-125-115-82(12)@進化の輝石 アナライズ
イカサマ 冷凍ビーム 丸くなる 自己再生
HB
A120ジガルデの+6サウザンアロー急所耐え
B+1状態でザシアンを出されても、剣の舞さえなければインファイトを撃たれても展開が間に合う
C
321-161ジガルデの+3身代わりをダイアイスで確定破壊
S
麻痺したウーラオス抜き
ミラー同速回避
ここまでの4匹では地均しランドロス展開の黒バドザシアンに勝つことが難しいため採用。黒バドレックスに対してダイマックスを合わせるため攻撃個体値は31。
このポケモンには広く浅い範囲を丸くなるで誤魔化して欲しかったので特殊方面はダイマックス任せの防御振り切りとした。主にジガルデやネクロズマを指す。
一時期はトレースで採用していたが、パーフェクトジガルデのD+3身代わりをダイアイスで壊せないことがあり目玉が飛び出てしまったのでアナライズとした。イカサマをザシアン交代に合わせればある程度のダメージソースとなるところも評価が高い。
1-156(252)-45-x-50-92(252)@気合の襷
ポルターガイスト 影撃ち 鬼火 堪える
B
個体値0
H155メタモン(ヌケニン)に影撃ちが101.9%~
メタモン入りに対して対面的な選出が出来るように採用。選出画面では広範囲の禁止伝説に対して圧力となる。
これは私の使い方が下手なこともあるが、どこから弱点技が飛んでくるか分からない環境であるため、基本的にメタモンにコピーされた自分のポケモンにしか投げないよう意識した。
ただザシアンをコピーされた際の切り返しはサンダーで事足りているため、選出画面で更に命の珠の場所を隠す貯水ガマゲロゲにしてみても面白いかもしれない。
・選出例
ザシアン+カイオーガ
→カイオーガ+ザシアン+サンダー
イベルタル+ザシアン
→カイオーガ+ザシアン+1(サンダーが多い)
基本的に初手にカイオーガを出してテンポを取りたい。出せない場合はなぜ出せないのかから逆算して選出を考える。
・雑感
今月末はリアルの都合でランクマッチに時間を取れないことが決まっていたのですが、葉桜杯という大きな大会で二度目の優勝が出来たことを嬉しく思います。
予選段階ではあまり乗り気でなかったこともあり寄せ集め状態でしたが、本戦出場が決まってから考えた割にはそこそこの完成度に仕上げられたのも、前期の貯金と珠ランドロスのアイデアを教えてくれたおろしぽんずさんに助けられましたおかげです。